大鷲神社の御祭神は日本武尊(やまとたけるのみこと)です。
日本武尊は第12代景行天皇の皇子としてお生まれになりました。母は稲日大郎姫(いなびのおおいらつめ)と伝えられております。兄は大碓尊(おおうすのみこと)、弟である日本武尊はまたの名を小碓尊(おうすのみこと)、倭男具那命(やまとおぐなのみこと)とも申しあげます。
日本武尊は東征の帰路、当地に本陣をおき、多年にわたり夷賊に苦しんでいた人々を救済したと伝えられます。人々は尊の善政に厚く感謝し、崩御ののちに日本武尊をお祀りしました。御祭神にちなみご命日とされる11月酉の日に神恩感謝の祭が行われるようになりす。この祭がのちに酉の市と呼ばれるものです。
武運長久・開運守護の神として信仰が篤く、中世、新羅三郎源義光が兄八幡太郎源義家の援軍として後三年の役に向かう途次、当社に戦勝の祈願をなさいました。
後三年の役に勝利した義光は帰途、再び当社に奉賽し、社殿を改築「金の前立の兜」及び武具を奉献したと伝わります。
幕末、幕府の命により義光の子孫である佐竹氏が本殿を改築。嘉永7年(1854)から明治8年(1875)まで20余年の歳月を要し、竣功を迎えました。総欅造りで数知れぬ大小の彫刻が随所に見られます。特に正面にある向拝柱に彫られた「昇り龍・降り龍」は荘厳で、左甚五郎13代目後藤与五郎の作と言われております。